小心者でも言いたいことがある。

公務員として働いていましたが、うつ病になりました。

小心者でも言いたいことがある。

公務員のたばこ休憩が職務専念義務違反?いいえ、程度の問題です。

こんにちは。中瀬一菜です。

公務員のたばこ休憩について、現役公務員であるわたしが語りたいと思います。

 

 

たばこ休憩ねぇ…

toyokeizai.net

また議論を呼びそうな記事をよく発表したものですね… 冒頭で断り*1がありますが… そんなの効果ないでしょ… だいたい言葉とは書き手の意図する通りに通じないのが真理なのですから。

この記事についているコメントは、記事タイトルの「たばこ休憩」に対するアレルギー反応とも取れるヒステリックな意見がたくさん寄せられていて、多くの人たちがそれに共感しています。

…と、ちょっと辛口でお話してみましたが、わたし自身たばこ大嫌いです。百害あって一利なしを地で行く嗜好品を、わざわざそこそこなお金を出してまで買う意味が分からない。そういう意味では、ヒステリックな意見たちに共感せざるを得ない所はある。

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…と、わたくし個人の意見は置いといて。

筆者がこの記事で言いたいことをわたしなりに要約してみますと…

  • タバコ休憩は本当に職務専念義務違反(地公法30条)なのか? たばこを吸うことは休憩に当たるのか?(2018年6月5日付 産経新聞から、大阪府が健康医療部の男性職員が2年間で、計約440回、100時間以上たばこ休憩をしていたため訓告処分にした、という記事を受けて)
  • 一般的なオフィスワークの場合、席に座って飲食している場合は職務専念義務違反とはならず、黙認されている。
  • ということは、職務専念義務には一定の「ゆとり」があるもので、一切の私的行為を禁じるものではないと考えられる。
  • したがって、席に座っていようと、たばこ休憩で席を離れていようと、雇用契約上の仕事(筆者曰くアウトプット)が十分にできているのであれば、職務専念義務違反とはならないのではないか。
  • 世間的な分煙化・健康志向の流れを受けて、喫煙者が屋外での喫煙を受け入れた歴史を加味し、たばこ休憩はサボりではないと受け入れての良いのかもしれない。
  • 業種や職種に応じて合理的な基準を設定したり、その人個人が行った仕事(アウトプット)に注目して判断することで、喫煙者・非喫煙者両者にとって公平な環境が築ける。

だいたいこんなかんじでしょうか。

筆者は公務員だけではなく、一般企業も含めた広いお話をしていますが、わたしは「公務員」に限定して思うところを語りたいと思います。

 

 

公務員のたばこ休憩はアリ?ナシ?

公務員の職務専念義務についておさらい

国家公務員法

第七節 服務
(服務の根本基準)
第九十六条第一項 すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

地方公務員法

 第六節 服務
(服務の根本基準)
第三十条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

…というように、法的に定められた公務員の義務です。

国家公務員も地方公務員も、義務の内容(条文の記載内容)は同じですね。以下では国家公務員・地方公務員の区別なくお話していきます。それぞれの条文の解釈がどうなのかまでは、わたくしそこまでは知りませんけど…これもおおむね同じでは…?差はないと思うけどなぁ…どうなんでしょう…???

ちなみに、こういう義務については、入庁するさいに誓約書を書かされていますので、リアルにちゃんと守らないとヤバいのですね。

とはいえ、じゃあ具体的にどういった行為がダメなのか、どこまでがセーフなのかという話を聞かされた記憶はないです。

国民・県民市民町民村民のために、みなさん職務を全うしてくださいね、というような抽象的な話があっただけだと思います。あなたがひとりひとりの行動が信頼に関わるんですよ、とか。あぁちゃんとしないといけないなと襟元を正す思いで聞いていたのを思い出します。

よって、上記記事の筆者の言う通り、職務専念義務には一定の「ゆとり」があるものだと考えていいと思います。

 

働く現場での職務専念義務

わたくし、一応は現役公務員なのですが、公務員が暇であるといった類の意見はまるっと全部妄言であり、全公務員を代表して遺憾の意を示したいくらいムカついています。

実際の現場は、怒涛のような日々です。…よほど暇な部署やよほど根性の曲がった輩でない限りは。

大多数の公務員のみなさんは、毎年数%のシーリングがかかる厳しい予算の中、決して減ることの無い仕事をたくさん抱え、少ない人員で奮闘しています。この件について、過去に記事にしたこともありますのでよろしければそちらもどうぞ。

職務専念義務なんてものを押し付けられなくとも、キリキリ働かないと回らないので普通に仕事をしていれば、上司から「君、職務専念義務に違反してるよ」なんて言われることはありません。

というか、実際に働いていて、「これって職務専念義務違反かなぁ…」なんて考えたこともありませんでした。

それは、飲み食い(個人で持ってきた・職場で購入したに関わらず)をしているときも、席を外して自販機に行ったときも、出張先で昼休憩前に昼食を食べたり・終業時間前に仕事が終わったときも、です。

つまり、普通に仕事をしていれば、職務専念義務違反なんて言われないのです。わたしの経験上、ですけど。

 

大阪府で訓告処分が出た「たばこ休憩」を詳しく見てみよう

ということで、上記記事で取り上げられた大阪府の方ですが…わざわざ訓告処分を受けるってことは、なにか別のヤバい事情があったんじゃないの?と同種の仕事をしているものとしては思います。文字通りに「たばこ休憩した→職務専念義務違反」ではなく、「→」の間に色々な事情が細かくあったんだろうな…という。

ということで、ちょっと算数をしてみたいと思います。

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2年間で、計約440回、100時間以上のたばこ休憩をしたことで職務専念義務違反になった。

→2年間で公務員が勤務する日数は、だいたい486日。有給休暇(年間20日、夏季休暇最大5日)を加味すると、リアルな勤務日数はだいたい486日‐(20日+5日)×2=436日になる。

→1回分のたばこ休憩の時間は、100時間以上÷440回=0.227272727時間以上=13.63636362分以上≒13.6分以上

→1日1回たばこ休憩したと考えると、7時間45分の勤務時間が、7時間31.4分以下に縮まる。

んんん???

これくらいだったら誰でもやってそうな時間になりました。大阪府だけじゃなく、ほかの自治体でも同じようなことが起こってもおかしくないのでは…?

そこで、上記で紹介した記事の元になった産経新聞の記事をよくよく確認してみると、問題になった職員はたばこ休憩だけが問題になったわけじゃなかったみたいです。一部引用します。

 ・男性職員は1日に数回、各15分程度無断で自席から離れ、府庁近くの民間ビルの喫煙室でたばこを吸っていた。

・外部から通報があり、勤務中の行動を確認。喫煙のために抜け出していたのを現認し、聞き取り調査をした。

・府は、(略)休憩時間中に限って周辺の喫煙所の利用を認めている。

なんと、庁舎を出て別の場所で吸ってたみたいですよ。

喫煙所の利用は休憩時間のみということは、勤務時間中のたばこ休憩をハッキリ規制してるんですね。

そして、外部の通報がキッカケという…(ガタガタ)外部怖い…

そういえば大阪府って喫煙室を無くして全面禁煙にしたって話で一時話題になってましたよね… ですが今はまた喫煙所が設けられていました。庁外でたばこを吸っている職員が続出して府民の苦情や大阪市からの指導があったのを受けて対応したみたい。

大阪府の資料でも確認ができました。資料の方を見てみると、完全に野外で野ざらしっぽい画像(駐輪場みたいなアレ)が載ってました。

うーん、外部からの通報がキッカケとはいえ、勤務時間中に用もないのに庁外へ出て民間施設を勝手に使うのはダメだよなぁ。いやいや、府が「勤務時間中のたばこ休憩はダメ」って決めてるんだからそもそもダメなのか。

 

たばこ休憩したら職務専念義務違反!じゃない!

大阪府で訓告処分が出たたばこ休憩の事案は「決まりを守って公務員ちゃんと仕事しろよという意味で、違反者を訓告処分にしました」ってことじゃないのかな。

したがって、わざわざ「たばこ休憩ガー!!!」と騒ぐような話でもなく、シンプルに、それこそ字面のまんま、「大阪府が決めている職務専念義務」に違反しているかどうかが問題だったんだろうなと、とわたしは思いました。

ということは、たばこ休憩についてハッキリとした規定がない団体の場合は、職務専念義務が緩くて幅のある規定として現場では運用されていますから、即法的な意味での違反には繋がらないでしょう。

よって、「公務員のたばこ休憩はアリか?ナシか?」については、今まで通りグレーゾーンのまま、とりあえず結果論的にアリ※ただし庁内所定の喫煙所に限る※ってことになるのではないでしょうか。

 

 

で、例の記事についてどう思ってるの?

ん~~~、大阪府の特殊な事案を例に出してわざわざ発言せんでもよかろうに…とは思う。あと、「もともとは室内で喫煙していたけど、分煙が進んで外で吸うことになった。これを喫煙者は受け入れている」みたいな旨の記載を、なんでわざわざ書いたかなとも思う。完全に火に油。筆者の推測が形の見えない大勢の意見みたいになってるのが余計にね…

だけど、筆者の主張している適切な休憩かどうかは「アウトプットで決めよう」といった考え方には大いに賛成です。

 フレックスタイム制で働いているどころか、ノマドワーカーと呼ばれる方々がたくさんいる今時に、「会社の席に座っている=仕事をしている」という考え方はもはや古いといわざるを得ない。それに、どこの会社でも成果主義ですし、仕事がちゃんと出来ているかどうかを見て、サボってるかどうかを考えようというのも大いに納得です。

結局、座席での飲食・同僚との談笑の時間、たばこ休憩等々、グレーゾーン部分も含めいろんな休憩の形がありますが、どのような休憩が職務専念義務違反に当たるのかというお話は、上司や規則で明確に示されない限りは公務員個人の裁量によるとしか言えないと思います。体調って人それぞれですし。

なので、職務専念義務違反が疑われる場合は、個別具体的な休憩を分析して判断されるのを待つしかないのではないでしょうか。

となると、公務員ひとりひとりが常日頃気を付けるべきことといえば、程度の問題じゃないのかな、と思います。今どれだけ疲れているか、どんな休み方をすればリフレッシュになるのか、それを何分続けるのか、残っている仕事量と終業時間までの残り時間は…等々。

なにはともあれ、自分の健康を第一に、適切な休憩時間と自分の業務をうまく調整して、残業することなく定時で帰るのが当然に理想だと思います。みんな楽しく元気に仕事しようよ。こういう記事が出るとソワソワする公務員の方いらっしゃるかもですが、ほんとうによくない…体壊すよ…ちゃんと休んで…せめて一時間に一回は立てってほしい…

ä¸ç中ã®äººãã¡ã仲è¯ããã¦ããã¤ã©ã¹ã

…でもでも、全然別の話になるけどたばこ休憩云々という話は横に置いといて(大事なことなので大きくしてみた)非喫煙者のたばこの匂い・煙を吸いたくないという気持ちはもう少し汲んで欲しいなと思う。この記事についたコメントの多さが、苦しんでいる人たちがどれだけたくさんいるかを示していますし… 日本は世界的にみればまだまだ分煙が進んでいるとは言い難いですし…

そう、喫煙室帰りの人!特に!気を付けてほしい!服から匂うの!!!それがとても不愉快です!!!!!服パタパタしてから帰ってきてください!!!!!!!エレベーターで一緒になったときの絶望感たるや… 

そっと気を付けてほしいなメッセージは送っておきたいと思います。\ビビビ~/

*1:本稿は、喫煙や、たばこ休憩を推奨する意図ではありません」とハッキリ書かれています。